5αリダクターゼ(還元酵素)とは?
その働きと抑制する方法について徹底解説【医師監修】

本記事はAGA治療の専門医院として20年以上の実績がある、リブラクリニックが制作したものです。

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5αリダクターゼ(還元酵素)は、体内で重要な役割を果たす酵素であり、特に男性の生理機能と深く関わっています。

この酵素の働きを理解することは、AGA(男性型脱毛症)の理解を深める上で重要です。

本記事では5αリダクターゼ(還元酵素)の基本的な知識から、その種類、関連する症状、そしてその活性についてなど、包括的かつ分かりやすく解説します。

この記事の監修者

昭和58年3月|東海大学医学部卒業、十仁病院皮膚科、慶和病院副院長を務め、平成16年リブラクリニック目黒院入局、平成22年よりリブラクリニック目黒院院長。ED治療薬、AGA治療薬の推進と適性治療に多数貢献。平成5年に医学博士取得。
座右の名は「努力こそ金なり」、趣味は釣り。
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    5αリダクターゼ(還元酵素)の基本的な役割

    5αリダクターゼとは、男性ホルモンであるテストステロンを、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)へと変換する酵素です。

    DHTは胎児期における男性生殖器の形成や、思春期における第二次性徴(例えば、声変わり、体毛の増加、筋肉量の増加など)の発現に不可欠なホルモンです。

    男性が男性らしい身体的特徴を獲得し、維持する上で中心的な役割を担っていると言えます。

    しかし、このDHTの作用は身体の部位や時期によって、望ましい影響とそうでない影響の両面を持つことがあります。

    DHT(ジヒドロテストステロン)の産生増加

    例えば、DHTは体毛や髭の成長を促進する一方で、頭皮の毛包に対しては逆に作用し、AGAの進行に関与することが知られています。

    5αリダクターゼ(還元酵素)の2つのタイプ:I型とII型の違い

    5αリダクターゼは単一の酵素ではなく、2つの型が存在します。

    これらは5αリダクターゼI型と5αリダクターゼII型と呼ばれ、それぞれ体内での分布や生理的役割、そしてAGAへの関与の度合いが異なります。

    5αリダクターゼ(還元酵素)I型の特徴と分布

    5αリダクターゼI型は、主に皮膚の皮脂腺や汗腺、肝臓、そして全身の毛乳頭細胞に広く分布しており、側頭部や後頭部の毛包にも存在します。

    皮脂の産生に関わる役割をもっており、皮膚のコンディションやバリア機能に影響を与えます。

    後述する5αリダクターゼII型ほど、AGAの直接的な要因ではありませんが、頭皮の皮脂分泌が多すぎると毛穴の詰まりや炎症を引き起こし、間接的に頭皮環境が悪化してAGAの進行に影響を与える可能性があるため、無視できない存在です。

    5αリダクターゼ(還元酵素)II型の特徴と分布

    5αリダクターゼII型は、主に頭皮の毛包(特に前頭部や頭頂部)、前立腺、精嚢など、部分的に存在しています。

    テストステロンをDHTに変換する活性がI型よりも高く、特にAGAの発症において中心的な役割を果たすと考えられています。

    AGAの典型的な症状である前髪の生え際の後退や頭頂部の薄毛は、まさにこの5αリダクターゼII型が多く分布する部位でDHTが過剰に作用することによって引き起こされるため、II型を抑制することがAGAにとって効果的な治療となります。

    AGA(男性型脱毛症)の原因にはどちらのタイプがより深く関わるのか?

    AGAに対しては、主にII型5αリダクターゼが深く関与しているとされています。

    これは、II型酵素がこれらの症状が現れる組織(頭頂部や前頭部の毛包)に多く存在し、そこで効率よくDHTを産生するためです。

    このため、初期のAGA治療薬であるプロペシア(フィナステリド)は、主に5αリダクターゼII型を阻害する薬剤として開発されました。

    しかし、5αリダクターゼI型も皮脂腺や一部の毛包に存在し、DHT産生に関与していることから、AGAの発症や進行に全く無関係というわけではありません。

    実際、より新しい治療薬であるザガーロ(デュタステリド)は、I型とII型の両方の5αリダクターゼを阻害する作用を持ち、より広範にDHTの産生を抑制する効果が期待できます。

    5αリダクターゼ(還元酵素)とAGA(男性型脱毛症)の深い関係

    5αリダクターゼは、AGAの発症メカニズムにおいて中心的な役割を担う酵素です。AGAは成人男性に見られる進行性の脱毛症で、特定のパターンで頭髪が薄くなる特徴があります。

    AGA(男性型脱毛症)発症のメカニズムにおける5αリダクターゼ(還元酵素)

    AGAの発症メカニズムは複雑ですが、5αリダクターゼによるDHTの産生がその引き金となります。具体的なプロセスは以下の通りです。

    1. テストステロン(男性ホルモン)が毛包へ到達する: 血液中のテストステロンが、髪の根元に届きます。
    2. 5αリダクターゼがDHT(より強力な男性ホルモン)へ変化させる: 毛包に存在する5αリダクターゼ(特に前頭部や頭頂部に多いII型)が、テストステロンをより強力な男性ホルモンであるDHTに変換します。
    3. 頭髪の成長を止めるシグナルが発生する: 作られたDHTが、遺伝的に感受性の高い毛包の毛乳頭細胞にあるアンドロゲン受容体と結合します。この結合によって、髪の成長を抑制する信号が出され、髪の成長期間が短くなってしまいます。
    4. 頭髪が細く短くなる: 髪の生え変わりが繰り返されるうちに、髪の根元は徐々に小さくなり、太く長い髪を作る力を失います。その結果、産毛のような細く短い髪しか生えなくなり、最終的には髪がなくなって薄毛や脱毛が進行します。

    この一連のプロセスにおいて、5αリダクターゼはDHTという「実行犯」を生み出す「触媒役」として機能しており、AGAの進行を理解する上で欠かせない存在です。

    薄毛が特定の部位から進行しやすい理由

    AGAによる薄毛が多くの場合、前頭部の生え際や頭頂部から始まるのには明確な理由があります。

    これは、前頭部や頭頂部の毛包に5αリダクターゼII型が高濃度に存在し、かつアンドロゲン受容体(男性ホルモンの作用を細胞に伝える役割)の感受性が高いためです。

    DHTの影響を強く受けるこれらの部位では、毛包のミニチュア化がより速やかに進行し、結果として特徴的な脱毛パターン(M字型やO字型の薄毛)が現れます。

    一方で側頭部や後頭部の毛包は、5αリダクターゼII型の含有量が比較的少なく、アンドロゲン受容体の感受性も低いため、DHTの影響を受けにくく、AGAが進行しても比較的毛髪が残りやすい傾向にあります。

    また、AGAにおける毛包のミニチュア化は、多くの場合突発的な現象ではなく、時間をかけて徐々に進行します。

    一般的にAGA治療は毛包のミニチュア化を遅らせたり停止させたり、弱った毛包をある程度回復させたりするのには効果的ですが、完全に休止期に入って線維化してしまった毛包から再び太い毛髪を再生させるのは困難です。

    したがって、薄毛の初期兆候に気づいた段階で早期に原因を理解し、適切な対策を検討することが重要です。

    5αリダクターゼ(還元酵素)の活性に影響を与える要因

    5αリダクターゼの活性レベルやDHTの産生量は個人差があり、また様々な要因で変動する可能性があります。

    遺伝的要因

    5αリダクターゼの活性レベルには遺伝的要因も関与していると考えられており、これが酵素の産生量や活性の強さに影響を与える可能性があります。

    家族にAGAの人が多い場合、遺伝的に5αリダクターゼの活性が高い傾向がある、あるいはアンドロゲン受容体の感受性が高い傾向があるかもしれません。

    ホルモンバランスの変動

    体内のホルモンバランス、特に男性ホルモンは5αリダクターゼの活性やDHT産生に影響を与えます。

    テストステロンの分泌量が増加すれば、酵素活性が一定であってもDHTの産生量が増加する可能性があります。

    ホルモンバランスが加齢に伴い変化したり、ストレス、不規則な生活習慣による乱れたりすることも、間接的に5αリダクターゼの働きに影響を及ぼすと考えられます。

    生活習慣(食事、ストレスなど)の影響

    日常生活における様々な習慣も、5αリダクターゼの活性の影響となる可能性があります。

    • 食事: 高脂肪食や高糖質食の過剰な摂取は、ホルモンバランスに影響を与え、間接的に5αリダクターゼの活性を高める可能性があると指摘されています。
      一方で、亜鉛や特定の植物エストロゲンなど、一部の栄養素には5αリダクターゼの活性を抑制する可能性があります。
    • ストレス: 慢性的なストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を促し、これが男性ホルモンのバランスを崩すことで、間接的に5αリダクターゼの活性に影響を与える可能性があります。
      また、ストレスは血行不良や炎症を引き起こし、AGAの進行を悪化させる要因ともなります。
    • その他: 睡眠不足、運動不足、過度なアルコール摂取なども、ホルモンバランスの乱れや全身の健康状態の悪化を通じて、5αリダクターゼの活性や男性ホルモンの作用に間接的な影響を及ぼす可能性があります。

    これらの要因から、AGAのような症状の発症や進行は、単に遺伝だけで決まるのではなく、「生まれ持った要因」と「後天的な環境や生活習慣)」の相互作用によって影響を受けることがわかります。

    遺伝的要因を変えることはできませんが、生活習慣を見直すことで、ある程度のリスク軽減や症状の進行抑制に繋がる可能性があります。

    5αリダクターゼ(還元酵素)の働きを抑制する方法とは?

    5αリダクターゼの働きを抑制するためには、大きく分けて5αリダクターゼ阻害薬による治療と、日常生活で取り入れられる対策とがあります。

    5αリダクターゼ阻害薬について(有効成分フィナステリドまたはデュタステリド)

    AGAの治療に用いられる主要な薬剤として、5αリダクターゼ阻害薬があります。代表的なものにプロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)があります。

    • 作用機序: これらの薬剤は、5αリダクターゼに結合してその活性を阻害し、テストステロンからDHTへの変換を抑制します。

      フィナステリドは主に5αリダクターゼII型を阻害するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方の5αリダクターゼを阻害するという違いがあります。
    • 期待される効果と注意点: DHT産生の抑制により、毛包のミニチュア化の進行を遅らせ、抜け毛を減らし、一部では毛髪の成長(太さや密度の改善)を促す効果が期待されます。

      効果を実感するまでには、通常3ヶ月から6ヶ月以上の継続的な服用が必要とされています。服用開始初期に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が見られることがありますが、これは治療効果の現れ始めのサインである場合が多いです。
    • 副作用の可能性(性機能への影響を含む): 5αリダクターゼ阻害薬の服用に際しては、副作用の可能性についても理解しておく必要があります。
      特に男性ホルモンに関連する副作用として、性欲減退、勃起機能不全(ED)、射精障害、精液量減少などが報告されています。 

    プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)の効果や副作用、処方や服用方法などについて詳しくは下記ページをご覧ください。

    リブラクリニックのオンライン診療での相談も可能

    近年、AGA治療やその他男性特有の悩みに関する相談のハードルを下げる手段として、オンライン診療が普及しています。

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    5αリダクターゼに関連する悩みや治療薬に関する疑問、副作用への不安など、どんなことでも専門医に相談ください。

    日常生活で取り入れられる対策

    医学的治療と並行して、あるいは軽微な症状の予防として、日常生活で取り入れられる対策も存在します。ただし、これらの効果は一般的に5αリダクターゼ阻害薬による治療ほど強力ではなく、補助的な位置づけと考えるべきです。

    食生活の見直しと栄養素

    特定の栄養素や食品成分が5αリダクターゼの活性に影響を与える可能性が研究されています。

    • 亜鉛: 必須ミネラルの一つで、多くの酵素の反応に関わります。一部の研究では、亜鉛が5αリダクターゼの活性を抑制する可能性があるとも言われています。亜鉛を多く含む食品には、牡蠣、赤身の肉、鶏肉、ナッツ類、豆類などがあります。
    • ノコギリヤシ: ヤシ科の植物の果実から抽出されるエキスで、古くから前立腺肥大の民間療法として用いられてきました。5αリダクターゼを穏やかに阻害する作用や抗炎症作用が報告されており、サプリメントとして利用されています。
    • 大豆イソフラボン: 大豆に含まれるポリフェノールの一種で、女性ホルモンと似た作用を持つことから、男性ホルモンの影響を相対的に弱める可能性が考えられています。
    • その他: 緑茶に含まれるカテキン、トマトに含まれるリコピン、アロエ、みかんなども、抗酸化作用や穏やかな5αリダクターゼ阻害作用を持つ可能性が研究されています。

    これらの食品や栄養素は健康維持の観点からも有益ですが、AGAを単独で治療するほどの強力な効果は期待できません。バランスの取れた食事を心がけることが基本です。

    適切なヘアケアと頭皮環境

    頭皮環境を清潔で健康に保つことは、毛髪の健全な成長にとって重要です。

    • 薬用シャンプー: ピロクトンオラミン、サリチル酸、ケトコナゾール、カフェイン、ノコギリヤシエキスなどを含む薬用シャンプーは、頭皮の炎症を抑えたり、皮脂バランスを整えたり、局所的に5αリダクターゼの活性を穏やかに抑制したりする効果が期待できるものもあります。
      ただし、これらはあくまで補助的な役割であり、AGA治療の主体とはなりません。
    • 頭皮マッサージ: 血行を促進し、毛根への栄養供給を助ける可能性がありますが、AGAの直接的な原因であるDHTの産生を抑制するものではありません。

    生活習慣の改善(睡眠、運動)

    質の高い睡眠、適度な運動、ストレス管理は、ホルモンバランスを整え、全身の健康状態を向上させる上で不可欠です。

    これらが直接的に5αリダクターゼを強力に抑制するわけではありませんが、AGAの進行の影響となる可能性のある生活習慣の乱れを正すことは、間接的に良い影響を与えます。  

    まとめ

    5αリダクターゼという酵素の基本的な役割、その種類(I型とII型)、AGA(男性型脱毛症)との深い関連性、そしてその活性に影響を与える要因や抑制方法などについて解説してきました。

    5αリダクターゼはテストステロンをより強力なDHTに変換することで、AGAの進行に影響を及ぼします。 

    AGAの治療においては、フィナステリドやデュタステリドといった5αリダクターゼ阻害薬が有効な選択肢となりますが、これらは医師の処方が必要な薬剤であり、性機能への影響を含む副作用の可能性も考慮しなければなりません。

    重要なのは、5αリダクターゼに関連する悩みや症状は、個々の体質、遺伝的背景、生活習慣、年齢などによって大きく異なるということです。したがって個々の状況に合わせた専門的な評価とアドバイスを受けることが極めて重要です。

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