
AGA治療薬を徹底比較|専門医が効果や費用、選び方を解説【医師監修】
本記事はAGA治療の専門医院として20年以上の実績がある、リブラクリニックが制作したものです。
薄毛や抜け毛の悩みは、多くの男性にとって深刻な問題です。その主な原因であるAGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症で、何も対策をしなければ症状は徐々に悪化していきます。
しかし、AGAは医学的に治療可能な疾患です。現在、日本国内では厚生労働省が承認した、科学的根拠に基づく有効な治療薬が存在します。
この記事では、医療従事者の立場から、国内で承認されているAGA治療薬の種類、それぞれの効果と副作用、治療にかかる費用、そして最も重要な「安全な治療の始め方」について詳しく解説します。
この記事の監修者
座右の名は「努力こそ金なり」、趣味は釣り。
AGA治療薬の基本|国内で承認された3つの有効成分
日本国内におけるAGA治療は、主に厚生労働省が製造販売を承認した3つの有効成分を中心に行われます。
これらの治療薬は、その作用の違いから、抜け毛の進行を抑える「守りの薬」と、新たな髪の成長を促す「攻めの薬」に大別されます。
この分類を理解することが、あなたに合った治療法を見つけるための第一歩です。日本皮膚科学会が策定した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」でも、これらの治療法は有効性が高く評価され、強く推奨(推奨度A)されています。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版
日本国内で承認されているAGA治療薬の概要
薬剤の種類 | 有効成分 | 主な役割 | 作用機序 | 形態 |
---|---|---|---|---|
抜け毛抑制薬 | フィナステリド | 守り | 5αリダクターゼ(Ⅱ型)阻害 | 内服薬 |
抜け毛抑制薬 | デュタステリド | 守り | 5αリダクターゼ(Ⅰ型・Ⅱ型)阻害 | 内服薬 |
発毛促進薬 | ミノキシジル | 攻め | 毛母細胞の活性化・血行促進 | 外用薬 |
これらの承認薬を医師の指導のもとで正しく使用することが、安全かつ効果的なAGA治療の基本となります。
各薬の特徴比較
これらのAGA治療薬は、それぞれに異なる特徴があり、個人のライフスタイルや求める効果によって最適な選択肢が変わります。まずは、各薬剤の全体像を把握するために、以下の比較表をご覧ください。
プロペシア フィナステリド錠 (プロペシアジェネリック) |
ザガーロ デュタステリド錠・ カプセル (ザガーロジェネリック) |
ミノキシジル |
カルプロニウム 塩化物 |
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有効成分 | フィナステリド | デュタステリド | ピリドキシン塩酸塩 トコフェロール酢酸エステル l-メントール |
塩化カルプロニウム |
錠剤の形状 | 【プロペシア錠】![]() ![]() 【フィナステリド錠】 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
【ザガーロカプセル】 ![]() 【デュタステリドカプセル】 ![]() 【デュタステリド錠】 ![]() ![]() ![]() ![]() |
【ミノキシジル】![]() |
【カルプロニウム塩化物】![]() |
効果部位 | 頭頂部、後頭部 | 前頭部、頭頂部、後頭部 | 脱毛している頭皮に塗布 (気になるところ) |
脱毛している頭皮に塗布 (気になるところ) |
特徴 | 男性における男性型脱毛症の進行遅延に効果がある。 | 男性における男性型脱毛症に効果がある。 | 男性における男性型脱毛症に効果がある。 | 男性における毛髪の成長を促す効果がある。 |
作用 | 5α-還元酵素Ⅱ型のみを阻害 | 5α-還元酵素Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害 | 頭皮の血管を拡張して毛母細胞を活発化させ発毛を促す | 頭皮の血管を拡張作用 |
効果の現れ | 6ヵ月間~1年 半年以上は服用してみてください。 プロペシアの効果について |
6ヵ月間~1年 半年以上は服用してみてください。 ザガーロの効果について |
4ヵ月から6ヵ月 ミノキシジルの効果について |
1〜2ヶ月以上 カルプロニウム塩化物の効果について |
服用・使用方法 | 1日1回、1錠を服用 プロペシアの服用について |
1日1回、1錠を服用 ザガーロの服用について |
1回1mlを1日2回塗布 | 1日3〜4回適量を塗布 |
副作用 | 勃起不全、リビドー減退、その他(射精障害、精液量減少、下痢、 胃不快感等) プロペシアの副作用について |
勃起不全、リビドー減退、その他(射精障害、精液量減少、下痢、 胃不快感等) ザガーロの副作用について |
勃起不全、リビドー減退、 精液量減少 ミノキシジルの副作用について |
発赤、そう痒感、刺激痛、 局所発汗、熱感 |
併用禁忌 | 併用禁忌はありません。注意が必要な成分として「CYP3A4阻害薬」があります。 | 併用禁忌はありません。注意が必要な成分として「CYP3A4阻害薬」があります。 | 併用禁忌はありません。 | 併用禁忌はありません。 |
当院推奨度 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
料金 | 4,300円~ プロペシアの料金について |
5,500円~ ザガーロの料金について |
5,000円~ ミノキシジルの料金について |
1,500円~ カルプロニウム塩化物の料金について |
製薬会社 | オルガノン株式会社 ヴィアトリス製薬会社 東和薬品株式会社 富士化学工業株式会社 |
グラクソ・スミスクライン株式会社 東和薬品株式会社 Meiji Seika ファルマ株式会社 |
富士化学工業株式会社 | 長生堂製薬株式会社 |
添付文書 | プロペシア添付文書 | ザガーロ添付文書 | ミノキシジル添付文書 | カルプロニウム添付文書 |
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抜け毛を抑制するAGA治療薬
AGAの進行を食い止める「守りの治療」の主役が、プロペシア(フィナステリド錠)とザガーロ(デュタステリド錠)という治療薬です。
これらはAGAの根本原因に直接アプローチし、抜け毛のサイクルを正常化する働きを持ちます。
プロペシア(フィナステリド錠)


有効成分をフィナステリドとする治療薬は「プロペシア」と「フィナステリド錠」とがあります。
プロペシア錠1mg | フィナステリド錠1mg「トーワ」 | フィナステリド錠1mg「FCI」 | フィナステリド1mg「VTRS」 | |
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販売元 | オルガノン株式会社 | 東和薬品株式会社 | 富士化学工業株式会社 | ヴィアトリス製薬合同会社 |
当院価格 | 1箱(28錠入):8,200円 5箱(140錠入):38,500円※1箱あたり7,700円 | 1ボトル(30錠入):4,300円 5ボトル(150錠入):20,000円 ※1ボトルあたり4,000円 | 1箱(28錠入):4,300円 5箱(140錠入):20,000円 ※1箱あたり4,000円 | 1箱(28錠入):4,900円 5箱(140錠入):23,500円(1箱あたり4,700円) |
当院では国内正規品のオルガノン株式会社のプロペシア錠、東和薬品株式会社と富士化学工業株式会社とヴィアトリス製薬合同会社のフィナステリド錠を処方しております。処方や服用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
- プロペシア(フィナステリド)とは?効果・副作用・費用から注意点まで専門医が徹底解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
- 当院で取扱のプロペシアジェネリック(フィナステリド錠)(東和薬品株式会社/富士化学工業株式会社/ヴィアトリス製薬合同会社) – AGA治療のリブラクリニック
AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と結びつき、より強力な脱毛作用を持つジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで起こります。
有効成分フィナステリドは、この5αリダクターゼの『Ⅱ型』の働きを阻害することでDHTの生成を抑制し、抜け毛を防ぎます。
臨床試験では高い有効性が確認されており、日本人男性を対象とした研究では、1年間の服用で58%の患者に改善が見られました。また、10年間の長期追跡調査では、91.5%の男性で薄毛の進行抑制または改善効果が確認されています。
効果を実感するまでの期間は個人差がありますが、一般的には3ヶ月で抜け毛の減少を感じ始め、6ヶ月程度で発毛効果を実感する方が多いです。
副作用の頻度は低いものの、性欲減退や勃起機能不全(ED)といった性機能に関する症状や、肝機能障害が報告されています。これらの副作用の発生頻度は、臨床試験において1~5%程度とされています。
ザガーロ(デュタステリド錠)


有効成分をデュタステリドとする治療薬は「ザガーロ」と「デュタステリド錠/カプセル」とがあります。
ザガーロカプセル0.5mg | デュタステリド錠0.5mgZA「トーワ」 | デュタステリド錠0.5mgZA「明治」 | デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」 | |
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販売元 | グラクソ・スミスクライン株式会社 | 東和薬品株式会社 | Me ファルマ株式会社 | 東和薬品株式会社 |
当院価格 | 1箱(30カプセル入):10,500円 5箱(150カプセル入):50,000円※1箱あたり10,000円 | 1箱(30錠入):5,500円 5箱(150錠入):25,000円※1箱あたり5,000円 | 1箱(30錠入):6,000円 5箱(150錠入):27,500円※1箱あたり5,500円 | 1箱(30カプセル入):7,000円 5箱(150カプセル入):32,500円※1箱あたり6,500円 |
当院では国内正規品のグラクソ・スミスクライン株式会社のザガーロカプセル、東和薬品株式会社とMe ファルマ株式会社のデュタステリド錠/カプセルを処方しております。処方や服用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
- ザガーロ(デュタステリド)の効果や副作用、服用方法と注意点を解説【医師監修】 – AGA治療のリブラクリニック
- 当院で取扱のザガーロジェネリック(デュタステリド錠/カプセル)(東和薬品株式会社/Me ファルマ株式会社) – AGA治療のリブラクリニック
有効成分デュタステリドは、フィナステリドと同様に5αリダクターゼを阻害します。
フィナステリドが『Ⅱ型』のみに作用するのに対し、デュタステリドは『Ⅰ型』と『Ⅱ型』の両方を阻害する点が大きな特徴です。これにより、より広範囲かつ強力にDHTの生成を抑制できます。
デュタステリドはフィナステリドよりも強力なDHT抑制効果を持つため、発毛効果も高いとされています。海外の臨床試験では、フィナステリドと比較して毛髪数の増加において、より優れた結果が報告されています。
そのため、AGAが比較的進行している方や、フィナステリドで十分な効果が得られなかった場合に選択されることがあります。
副作用の種類はフィナステリドと類似しており、性機能障害や肝機能障害、気分の落ち込みなどが報告されています。デュタステリドは作用が強力な分、副作用の発生頻度がフィナステリドに比べてやや高くなる可能性が指摘されていますが、医師の適切な診断と指導のもとで服用すれば、安全に治療を進めることが可能です。
有効成分フィナステリドとデュタステリドに共通する重要な注意点
フィナステリドとデュタステリドは、AGA治療に高い効果を発揮する一方で、安全な使用のために必ず守るべき共通の注意点があります。これらは特に副作用のリスク管理において極めて重要です。
- 女性・小児は服用・接触禁止: これらの薬剤は成人男性専用です。特に妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある女性が服用したり、割れた錠剤に触れて成分が皮膚から吸収されたりすると、男性胎児の生殖器に異常をきたす危険性があります。家族に該当する女性がいる場合は、薬剤の保管・取り扱いに細心の注意が必要です。
- PSA検査(前立腺がん検診)を受ける際の申告義務: フィナステリドとデュタステリドには、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの値を低下させる作用があります。検査の際に服用していることを医師に伝えないと、がんの発見が遅れるリスクがあるため、健康診断などを受ける際は必ず申告してください。
プロペシア(フィナステリド錠)とザガーロ(デュタステリド錠)のどちらを選択するかは、薄毛の進行度、個人の体質、そして副作用への許容度などを総合的に判断する必要があります。
どちらの治療薬がよいかお悩みの方は、リブラクリニックのオンライン診療でご相談ください。専門医が個々の状況を丁寧にヒアリングし、安全で効果的な治療法を提案いたします。
発毛を促進するAGA治療薬
抜け毛を止める「守り」の治療と並行して、積極的に髪を増やしたい場合に用いられるのが「攻めの薬」であるミノキシジルです。
しかし、ミノキシジルには国内で承認されている「外用薬」と、承認されていない「内服薬」があり、両者には安全性において決定的な違いがあります。
ミノキシジル外用薬(国内承認)

日本でAGA治療薬として承認されているのは、頭皮に直接塗布するタイプのミノキシジル外用薬のみです。
ミノキシジル配合外用液5% 60ml | |
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販売元 | 富士化学工業株式会社 |
当院価格 | 1本(60ml):5,000円 2本(120ml):9,000円※1本あたり4,500円 |
当院では国内正規品の富士化学工業株式会社のミノキシジル配合外用液5%を取り扱っております。処方や使用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
ミノキシジルの効果と副作用、内服薬と外用薬の違いについて解説【医師監修】–AGA治療のリブラクリニック
ミノキシジル外用薬は、毛根に直接作用し、毛母細胞を活性化させるとともに、頭皮の血流を改善することで発毛を促進します。ホルモンには作用しないため、フィナステリドやデュタステリドといった「守りの薬」と併用することで、抜け毛を抑制しつつ発毛を促すという相乗効果が期待できます。
5%濃度の製剤を用いた臨床試験では、52週間の使用で94%の被験者に改善が見られたという高い有効性が報告されています。
全身への影響は少なく、主な副作用は塗布した部分のかゆみ、赤み、発疹、フケといった皮膚症状です。これらの症状は、薬剤に含まれる成分に対するアレルギー反応などが原因と考えられます。症状が続く場合は、頭皮環境の悪化を招く恐れがあるため、医師への相談が必要です。
ミノキシジル内服薬(国内未承認)の危険性
インターネット上では、「ミノキシジルタブレット」や「ミノタブ」といった名称で、ミノキシジルの内服薬が販売されていることがあります。しかし、ミノキシジル内服薬は、日本ではAGA治療薬として承認されていません。
この背景には、ミノキシジルが元々、重度の高血圧症を治療するための血圧降下剤として開発されたという経緯があります。発毛効果は、その強力な血管拡張作用の「副作用」として発見されたものです。
AGAは生命に関わる疾患ではないため、治療は安全性が最優先されます。ミノキシジル内服薬は、血圧降下剤としての作用が全身に及ぶため、以下のような重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
- 循環器系への影響: 動悸、息切れ、めまい、立ちくらみ、低血圧
- 体液貯留: 顔や手足のむくみ
- 心臓への負担: 胸の痛み、心拍数の増加
- 多毛症: 全身の体毛が濃くなる
このような全身性の重篤な副作用リスクを冒してまで使用することは、AGA治療の利益(発毛)よりも不利益(健康被害)が上回ると判断されており、日本では承認されていないのです。
安全な治療を望むのであれば、国内で承認されているミノキシジル外用薬を、医師の指導のもとで使用することが不可欠です。個人輸入などで安易に入手することの危険性については、後ほど詳しく解説します。
カルプロニウム塩化物

塩化カルプロニウム(フロジンジェネリック)を5%配合した外用薬です。
カルプロニウム塩化物(フロジンジェネリック)外用液5%「CH」30ml | |
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販売元 | 長生堂製薬株式会社 |
当院価格 | 1本(30ml):1,500円 5本(150ml):6,000円※1本あたり1,200円 |
当院では国内正規品の長生堂製薬株式会社のミノキシジル配合外用液5%を取り扱っております。処方や服用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
【医師監修】カルプロニウム塩化物の処方と服用方法 –AGA治療のリブラクリニック
内服薬とは異なり、直に症状が出ている箇所に塗る薬となっています。塗布により頭皮の血管が拡張されるため、発毛効果を期待できます。
高齢者でも利用しやすいAGA治療薬となっており、男性でより高いAGA治療効果を得るには、プロペシアやザガーロとの併用がおすすめです。
その他のAGA治療薬の種類
上記で紹介したAGA治療薬以外には、以下のようなものがあります。
ミノキシジルタブレット
ミノキシジルタブレット(通称ミノタブ)とは、ミノキシジルを主成分とする錠剤タイプの内服薬です。
ただし、ミノキシジルタブレットは世界中どの国でも薬として承認されていないため、クリニックで処方されることはありません。
これは副作用などのリスクが非常に高いとされているためです。
仮に、個人輸入などでミノキシジル内服液を輸入し使用した場合、様々な健康被害が出る可能性があるため、注意が必要です。
一方で、ミノキシジルを主成分とするAGA治療薬には外用薬もあり、こちらは国内で薬として承認されています。当院でも外用薬のミノキシジル配合外用液5%を処方しております。
ミノキシジルタブレットについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
ミノタブは育毛剤ではない? – AGA治療専門のリブラクリニック
アボルブ
アボルブとは、グラクソ・スミスクライン株式会社が販売するカプセルタイプの内服薬です。
ジヒドロテストステロン(DHT)などの男性ホルモンに作用するデュタステリドが主成分のため、服用することで抜け毛を抑える効果を期待できます。
食前・食後に関係なく好きなタイミングで服用できますが、飲み忘れがあると効果を実感しにくくなります。
AGA治療効果を得るには、毎日1回できるかぎり同じタイミングで、6ヵ月継続して服用することが大切です。
なお、アボルブと同様の効果を持つプロペシアを服用している場合は、副作用のリスクが高まるため、アボルブを服用できません。
アボルブと併用できない薬には、以下のようなものがあります。
- ノービア錠
- メドロキシプロゲステロン酢酸エステル錠
- ヒスロン錠
- プロベラ錠
- カトレラ配合錠
- カトレラ配合内用液
- ヒスロンH錠
- リトナビル
ロゲイン
ロゲインとは、有効成分にミノキシジルが用いられた外用薬です。
1980年にファイザー株式会社(旧:アップジョン社)で製造・販売され、現在はアメリカ製薬会社であるジョンソン・エンド・ジョンソン社の傘下にあるマクニール社から販売されています。
ロゲインは1日2回、12時間おきに頭皮へ塗布することで毛根周辺の血流が促進され、発毛効果を期待できます。
ただし、血流の促進による発毛効果が得られるのは、血行不良が原因となって薄毛や抜け毛が出やすい後頭部や頭頂部などです。
側頭部や生え際では高い発毛効果は期待できません。
あなたに合うAGA治療薬の選び方|症状と目的別の推奨プラン
AGA治療薬の種類と特徴を理解した上で、次に考えるべきは「自分にはどの治療法が合っているのか」という点です。ここでは、薄毛の進行度や治療目的に合わせた一般的な推奨プランを紹介します。
プラン1:抜け毛予防・初期段階のAGA
- 推奨治療: プロペシア(フィナステリド錠)、またはザガーロ(デュタステリド錠)単剤
- 対象者: 「最近、抜け毛が増えた気がする」「髪のハリやコシがなくなってきた」「家族に薄毛の人がいるので予防したい」といった、AGAの初期段階の方や予防を目的とする方
AGAの進行を止めることが最優先課題です。まずは「守りの薬」であるフィナステリドから治療を開始するのが標準的なアプローチです。DHTの生成を抑え、ヘアサイクルを正常化させることで、現状を維持し、さらなる薄毛の進行を防ぎます。
プラン2:薄毛が目立ち、発毛も促したい
- 推奨治療: プロペシア(フィナステリド錠)、またはザガーロ(デュタステリド錠)+ミノキシジル外用薬の併用療法
- 対象者: 「生え際の後退や頭頂部の薄さが気になる」「抜け毛を止めつつ、髪の毛を増やしたい」といった、ある程度AGAが進行しており、積極的な発毛を望む方
抜け毛を抑制する「守り」の治療と、発毛を促進する「攻め」の治療を組み合わせることで、最も高い効果が期待できます。フィナステリドやデュタステリドでAGAの進行にブレーキをかけながら、ミノキシジル外用薬で毛母細胞を活性化させ、太く健康な髪を育てます。この併用療法は、多くの専門クリニックで採用されている効果的な治療法です。
これらのプランはあくまで一般的な指針です。最適な治療法は、薄毛のタイプ、進行度、健康状態、そしてあなたがどこまで改善を望むかによって一人ひとり異なります。自己判断で薬を選んでしまうと、効果が不十分であったり、予期せぬ副作用に見舞われたりする可能性があります。
成功への近道は、専門の医師に相談し、あなたの状態に合わせた処方を受けることです。クリニックに通う時間がない方は、リブラクリニックのオンライン診療をご利用ください。専門医が個々の状況を丁寧にヒアリングし、安全で効果的な治療法を提案いたします。
AGA治療薬の費用相場と継続のポイント
AGA治療を始めるにあたり、多くの方が気になるのが費用面でしょう。AGA治療は容姿の改善を目的とする「自由診療」に該当するため、公的医療保険は適用されず、費用は全額自己負担となります。治療は長期にわたるため、無理なく継続できる費用計画を立てることが非常に重要です。
AGA治療薬の月額費用目安
治療費用は、使用する薬剤の種類や、先発医薬品かジェネリック医薬品(後発医薬品)かによって大きく異なります。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分や品質、安全性が同等であると国に認められており、より安価に治療を継続できるため、賢い選択肢の一つです。
AGA治療薬の月額費用目安(ジェネリック含む)
治療プラン | 当院の先発医薬品の費用(月額) | 当院のジェネリック医薬品の費用(月額) |
---|---|---|
予防プラン(プロペシア/フィナステリド錠) | 7,700円~8,200円 | 4,000円~4,900円 |
より強力な予防プラン(ザガーロ/デュタステリド錠) | 10,000円〜10,500円 | 5,000円~7,000円 |
発毛プラン(ミノキシジル外用薬) | 4,500円~5,000円 | – |
総合プラン(内服薬+外用薬) | 12,200円~15,500円 | 9,000円~11,900円 |
※最低価格はまとめ買いをした場合の価格です。
治療費を抑えるためのポイント
1. ジェネリック医薬品を選択する
上記の表からもわかるように、ジェネリック医薬品を選ぶことで、治療費を大幅に抑えることが可能です。ジェネリックに切り替えるだけで月々の負担を数千円単位で軽減できます。
2. オンライン診療を活用する
オンライン専門のクリニックは、店舗運営にかかるコストを抑えられるため、薬剤の価格が比較的安価に設定されている場合があります。また、通院にかかる交通費や時間も節約できます。
例えばリブラクリニックでは、診察料は無料でかかる費用はお薬代のみですので、費用を抑えながら安全な正規品治療を始めることができます。
費用の安さだけを求めて、次に解説する「個人輸入」に手を出すことは絶対に避けるべきです。目先の安さに惑わされず、信頼できる医療機関で、品質が保証された承認薬による治療を継続することが、最終的に最もコストパフォーマンスの高い選択となります。
健康保険は適用されない
AGA治療は、自由診療のため健康保険が適用されません。そのため、AGA治療薬の購入費用は全額自己負担となります。
1年間に高額な医療費を支払った際に控除が受けられる「医療費控除制度」の対象にもならないので、注意しましょう。
ただし、AGAが原因ではない以下のような病気によって治療を行なう場合は、保険適用となります。
- 自己免疫疾患にともなう脱毛症
- 円形脱毛症
- 梅毒性脱毛症
- びまん性脱毛症
- 脂漏(しろう)性脱毛症
- 接触性皮膚炎
- 抜毛症
※保険適用の対象となる治療であった場合も、当院におきましては自由診療のみとさせていただいておりますのでご了承くださいませ。
【絶対NG】AGA治療薬の個人輸入に潜む5つの危険性
「クリニックでの処方より安く手に入る」という理由で、海外からAGA治療薬を個人輸入しようと考える方がいるかもしれません。しかし、これは極めて危険な行為であり、医療専門家として断固として反対します。個人輸入には、安さというメリットをはるかに上回る、深刻なリスクが潜んでいます。
1. 偽造品・不純物のリスク
個人輸入で入手する薬剤には、品質の保証が一切ありません。厚生労働省が実施した調査では、インターネットで販売されていたED治療薬の約4割が偽造品であったという衝撃的な結果が報告されています。
AGA治療薬も同様のリスクに晒されており、届いた薬に有効成分が全く含まれていない、あるいは表示と異なる量しか含まれていない可能性があります。最悪の場合、健康に有害な不純物が混入しているケースも報告されており、不衛生な環境で製造されている実態もあります。
2. 重篤な健康被害のリスク
医師の診察を受けずに自己判断で薬を服用することは、重大な健康被害につながる恐れがあります。
例えば、肝機能に問題がある方がフィナステリドを服用したり、心臓に持病がある方がミノキシジルを使用したりすれば、深刻な事態を招きかねません。
本来、医師の診察によって回避できるはずのリスクを、自ら背負い込むことになります。
3. 副作用発生時に対処不能
正規の医療機関で処方された薬であれば、万が一副作用が出た場合でも、処方した医師に相談し、適切なアドバイスや処置を受けることができます。
しかし、個人輸入薬で副作用が起きた場合、相談できる専門家はいません。原因不明の体調不良に一人で悩み、対処法もわからず、症状が悪化してしまう危険性があります。
4. 公的救済制度の対象外
日本国内で承認された医薬品を適正に使用したにもかかわらず、重篤な健康被害が生じた場合、「医薬品副作用被害救済制度」によって医療費などが給付されます。
しかし、個人輸入した未承認薬による健康被害は、この制度の対象外です。つまり、すべての治療費は自己負担となり、経済的にも精神的にも大きな負担を強いられることになります。
『医薬品副作用被害救済制度』について詳しくは、下記サイトをご覧ください。
医薬品副作用被害救済制度 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
5. 不正確な用法・用量による服用ミス
個人輸入品に添付されている説明書は外国語で書かれていることが多く、正しい用法・用量を正確に理解することは困難です。誤った使い方をすれば、効果が得られないばかりか、副作用のリスクを高めることにもつながります。
これらのリスクを考慮すれば、個人輸入がいかに「安物買いの銭失い」であり、自身の健康を危険に晒す行為であるかは明らかです。安全で確実な治療効果を得るためには、必ず国内の医療機関を受診してください。
AGA治療のクリニックの選び方
AGA治療を受けるための、クリニック選びのポイントは2つあります。1つはクリニックで専門的な治療を受けられるか、もう1つは継続して通える場所にあるかです。
それぞれの理由を詳しく解説します。
AGA治療に関して専門的であるか
クリニックのなかには、AGA治療に対応していると言いつつも、専門的な治療を行なっていないところがあります。
クリニックのホームページ内に、AGAに関するコラムや詳しい情報が掲載されているかを確認すると、専門性が高いか判断しやすいでしょう。なかには、写真とともに実例をわかりやすく紹介しているところもあります。
専門クリニックでは、髪に関する専門知識を持った毛髪診断士が在籍していることもあります。薬の服用だけでなく、髪のケア方法の指導も受けられるため、改善が期待できるでしょう。
また、精度の高い血液検査も受けられ、薄毛の原因や自分に合う治療方法を知ることができます。
通いやすいクリニックであるか
クリニックが通いやすい場所にあることも大切です。AGAの投薬治療はすぐには効果が出ず、プロペシアやザガーロの服用は、最低でも6ヵ月は続ける必要があります。
そのため、評判の良いクリニックでも、自宅から遠く通いにくい場合は通うことがストレスになり治療のモチベーションが下がる可能性があるでしょう。通院をやめて薬の服用を中止すると、再び薄毛が進行してしまいます。
駅から徒歩圏内に位置するクリニックは公共交通機関で通いやすいため、おすすめです。また、オンライン診察も行なっているクリニックなら、自宅からでも治療を受けられ継続しやすいでしょう。
当院はJR目黒駅から徒歩0分、JR新宿駅から徒歩3分と通いやすい場所にあり、継続した治療を受けていただきやすいクリニックです。
また、当院は自由診療のため保険証に履歴が残りません。ご家族や会社の上司・仲間に気付かれることなく、治療を続けることができます。患者さんのプライバシーも守られているので、気兼ねなくご来院ください。
AGA治療薬に関するよくある質問と回答
ここでは、AGA治療薬に関して多くの方が抱く疑問についてお答えします。
Q1: 効果はどのくらいで実感できますか?
A: 効果の現れ方には個人差がありますが、一般的には服用開始から3ヶ月程度で抜け毛の減少といった初期変化を感じ始め、6ヶ月以上継続することで、見た目にもわかる発毛効果を実感する方が多いです。
AGA治療は効果を実感するまでに時間がかかるため、根気強く継続することが最も重要です。
Q2: 副作用が心配です。飲み始めたら、ずっと続きますか?
A: AGA治療薬の副作用の発生頻度は、臨床試験データ上では数%程度と低いものです。
万が一、性欲減退や肝機能の異常、頭皮のかゆみなどの症状が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、速やかに処方を受けた医師に相談してください。
医師は症状に応じて、薬の減量や変更、休薬などを検討します。自己判断で服用を中止すると、それまでの治療効果が失われ、再びAGAが進行してしまう可能性があるため注意が必要です。
Q3: ジェネリック医薬品は先発薬と効果が同じですか?
A: はい、同じです。ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される医薬品で、有効成分、品質、効き目、安全性が先発医薬品と同等であると厚生労働省によって厳格に審査・承認されています。
治療費を抑えながら長期間の治療を継続するための、非常に有効な選択肢です。
Q4: 治療を一度始めたら、やめられませんか?
A: AGAは進行性の脱毛症であるため、薬の服用を中止すると、抑制されていたDHTが再び生成され始め、薄毛の症状が再度進行する可能性があります。得られた効果を維持するためには、継続的な服用が推奨されます。
ただし、治療のゴールは人それぞれです。医師と相談しながら、満足のいく状態になった段階で減薬や維持療法に移行することも可能です。
Q5: 女性でもこれらの薬は使えますか?
A: いいえ、プロペシア(フィナステリド錠)とザガーロ(デュタステリド錠)は男性ホルモンに作用する薬のため、成人男性専用です。
女性、特に妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある女性は、服用はもちろん、薬剤に触れることも禁忌とされています。
一方で、ミノキシジルの外用薬は女性の薄毛(FAGA)治療にも有効性が認められていますが、必ず医師の診断のもとで適切な治療を受ける必要があります。
まとめ
AGA(男性型脱毛症)は、もはや諦める必要のない疾患です。本記事で解説した通り、その進行を食い止め、髪を取り戻すための科学的根拠に基づいた有効な治療法が確立されています。
AGAは一人で悩む必要のない時代です。正しい知識を持ち、専門家のサポートを受けることで、あなたの悩みは解決へと向かいます。まずは一歩、専門の医師への相談から始めてみませんか。
当院で取扱の薬品
当院では、国内正規品のプロペシアとフィナステリド錠(プロペシアジェネリック)、ザガーロとデュタステリド錠/カプセル(ザガーロジェネリック)、ミノキシジル配合外用液5%、カルプロニウム塩化物外用液5%を処方しております。処方や服用方法に関して詳しくは下記ページをご覧ください。
- プロペシア(フィナステリド)とは?効果・副作用・費用から注意点まで専門医が徹底解説【医師監修】
- 当院で取扱のプロペシアジェネリック(フィナステリド錠)(東和薬品株式会社/富士化学工業株式会社/ヴィアトリス製薬合同会社)
- ザガーロ(デュタステリド)の効果や副作用、服用方法と注意点を解説【医師監修】
- 当院で取扱のザガーロジェネリック(デュタステリド錠/カプセル)(東和薬品株式会社/Me ファルマ株式会社)
- ミノキシジルの効果と副作用、内服薬と外用薬の違いについて解説【医師監修】
- 【医師監修】カルプロニウム塩化物の処方と服用方法 –AGA治療のリブラクリニック
当院では電話での問診にてオンライン診療を実施しております。来院不要でかかる費用はお薬代のみですので、お気軽にご相談ください。